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今年のアイラ・フェスティバルも大成功に終わりましたが(今号の記事をご参照ください)、ウィスキー市場はこれからの夏の季節には、沈滞ムードに入るのが常です。やはり、どこの国でも、暑くなると冷たいビールが恋しくなるのでしょう。しかしながら、世界景気の停滞にもかかわらず、スコッチウィスキー、特にシングルモルトのちょっとしたブームが進行している徴候がうかがえます。シングルモルトは、昨年、9%を超える輸出成長率を示し、今年の1月、2月にも急激に売り上げを伸ばしました。(今号の記事をご参照ください)蒸留所の買収は記録的ペースで進んでおり、また新たにウィスキー・フェスティバルを開催する例も世界中で後を絶ちません。ウィスキーは、ジンやウォッカ、カクテル飲料の追い上げを振り切り、最も人気のあるスピリッツとしての地位を維持しています。ウィスキーの中でも、シングルモルトの人気はここ数年大幅に伸びています。蒸留業者や瓶詰め業者も、収集家やウィスキー愛飲家の熱狂に応えて、ヴィンテージや珍しいフィニッシュを加えたもの、一回限りのカスク・ボトリングなど多彩な商品を発売し続けています。スペインのような少数の市場は例外ですが、スコッチウィスキー業界は、好みの酒をコロコロ変える、クラブに集まるような若者たちにおもねるのではなく、いろいろな酒を遍歴した後に、ある段階で到達する酒として、スコッチを位置づけることにしたようです。となると、蒸留業者も瓶詰め業者も、移り気な若者層を満足させようと気のきいたキャッチコピーや派手なパッケージをでっち上げるよりは、良質で面白みのある様々な商品の生産に力を入れるようになるわけですから、消費者にとっては、よい結果をもたらすはずです。
これは、まさにウィスキーの祭典らしく、期待を裏切らないイベントでした。 スコットランド本土の蒸留所に負けてはなるまいと、アイラ島とジュラ島の蒸留所長とスタッフがその力を結集して、ツアー、ダンス、音楽そして、ウィスキー満載の一週間をプロデュースしました。スペイサイド・フェスティバルでは、広い地域で非常に多くの種類のイベントが行われたため、散漫な印象を受けましたが、それに比べるとアイラのプログラムは地理的にも、内容的にも凝縮されており、ちょうど、綿密に計画された道筋に沿って、蒸留所から蒸留所へとパーティーが繰り広げられているかのようでした。蒸留所長やスタッフの熱狂ぶりは、実際に見なければちょっと信じられないほどのものでした。 ジュラまで足をのばしたリチャード・パターソンはスーパースティションとジョージ・オーウェルについて熱っぽく語り、ブルイックラディ蒸留所の新しい瓶詰めラインを得意げに案内しながら、自らの計画を見学者に説明したジム・マッキーワンは、興奮で今にも浮き上がりそうでした。ボウモアのクリスティン・ローガンはいつものてきぱきとした働きぶりで、大勢の見学者を引き連れて、特別ツアーを行い、一方、アードベッグのスチュワート・トムソンは、真夜中の蒸留所ツアーで、アードベッグ・ファンにカスクのサンプルを振るまい、喝采を浴びました。 週の後半までは、アイラならではの天候が続き、ジュラ・フェリーが一日運休したのですが、それでも、このすばらしいウィスキーの祭典に参加した人々の熱気がさめることはほとんどありませんでした。来年2004年のアイラ・フェスティバルは5月29日から6月6日まで開催されることが決まっています。詳細はこちらでご覧になれます。
フランク・マクハーディーの率いるチームは、キャンベルタウンで、スプリングバンク蒸留所に程近いグレンガイル蒸留所の改修を着々と進めています。蒸留所の建物の改装は既に全て終わり、床も屋根も新しくなりました。古いベンウィヴィス蒸留所にあった2基のスチルを含む蒸留設備の搬入が、もうすぐ始まります。今のところ、計画どおりに作業が進んでいるので、来年春には、スプリングバング蒸留所でピートを使って薫煙した大麦からできた、軽いピート香のあるモルトを用いて、ウィスキーの生産を開始する予定です。
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