| 蒸留所を買おうという人はいませんか?
成熟産業と言われているにもかかわらず、ここ数カ月で、ウィスキー業界は急速な変化を遂げつつあります。ディアジオとペルノーによるシーグラムの買収を皮切りに、アンゴストゥラ・ビターズ・グループのCLファイナンシャルがバーンズ・スチュワート、そしてごく最近はブナハーブンの買収を表明しました。エドリントンは戦略見直しの一環として、グレンゴイン蒸留所をイアン・マクラウドに譲渡し、インヴァーハウスはタイを本拠とする蒸留所に買収されましたし、シグナトリーのオーナー、アンドリュー・サイミントン氏はエドラダワーを買収しました。日本では、アサヒビールがマキシアム社の製品を扱うようになり、キリンビールが最近フォア・ローゼスの蒸留所を買収しました。少なくともペルノーとエドリントンは、価格の折り合いがつけば、さらに蒸留所の処分をすすめようとしており、また少なく見ても、新たに4つの蒸留所の開設が計画段階に入っているとの噂もあるので、この先も激震が続くのは明らかです。
いったいこの先はどうなるのでしょうか。前号のウィスク・イー・メールでもお伝えしたとおり、スコッチ・モルトウィスキー協会(SWA)によれば、シングルモルトの売上は世界中で増加を続けており、この傾向は今後さらに強まると考えられています。英国以外の市場で、シングルモルトの市場占有率が、英国市場と同様の10%近くに迫れば、需要がほぼ倍増することになります。大手の酒類メーカーのグループは自社所有のシングルモルトの蒸留所をより大々的に宣伝したいと考えているのですが、核となる少数の蒸留所に力をいれており、重要度の低いマイナーな蒸留所は、以前ほど必要ではなくなっています。昔からこうしたマイナーな蒸留所の製品が多く使われていたブレンデッドウィスキーの需要が停滞気味なのも、その理由の一つとして挙げられます。休眠状態となって売りに出される蒸留所がある一方で、ゼロから自分の蒸留所を立ち上げようと考えている多くの人々がいるのはいささか皮肉めいています。常識で考えれば、全く新しく蒸留所を立ち上げて、10年以上も資金繰りに悪戦苦闘するよりは、古いけれども名の通った蒸留所が売りに出ていれば、そちらに目を向けるでしょう。新しいベンチャーのロマンをいくらかは捨てることになるかもしれませんが、その方が絶対に、ビジネス上の選択としては健全に思えるでしょう。
エドラダワー蒸留所のアンドリュー・サイミントンとイアン・ヘンダーソンを見ればわかるように(今号の『ウィスキー・ゴシップ&ニュース』をご参照ください。)、古い蒸留所を買っても、その操業には何らかの実験的な要素がついてくるものなのです。イアン・ヘンダーソンは最近、蒸留所人生の中で、今が一番楽しいと言っていました。
というわけで、誰か蒸留所を買おうという人はいませんか? 売り物はたくさんありますよ。
| スペイサイド・ウィスキー・フェスティバル |
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今年のスピリット・オブ・スペイサイド・フェスティバルは、5月の2日から5日まで、スペイサイド各地で開催され、多くの蒸留所、ホテル、ウィスキー専門店が、特別のテイスティングなどのイベントを行いました。また、キルトやジャム、ビールなどのメーカーもこの機会を利用して、多彩なイベントを行ったので、誰にでも楽しめる催しとなりました。
大雨が降ったと思ったら、その30分後には太陽が顔を覗かせるといった、まさにスコットランドらしい不安定な天候でしたが、フェスティバルへの出足が鈍ることは全くありませんでした。
フェスティバルの目玉は、エルギンのゴードン&マクファイルの直営店で開かれた様々な専門家向けテイスティング、普段は公開していないロングモーン蒸留所へのテイスティング・ツアー、それにダンカン・テイラー社のマネージング・ディレクター、ユアン・シャンド氏の指導によるピアレス・シリーズとウィスキーガロア・シリーズから厳選したウィスキーのテイスティングでした。
1つ苦言を言わせてもらうと、あまりにも多くの数のイベントが、広大な地域にわたって繰り広げられたために、フェスティバル全体としてのまとまりにやや欠ける印象がありました。個々のイベントはとても楽しめるものだったのですが、大パーティーが複数の会場で開かれているような雰囲気ではなく、イベント同士がバラバラで散漫な感じでした。
さて、アイラ・フェスティバルまではあと1週間ホドとなりました。このメルマガでも、「ピーティー・パーティー」のレポートをお伝えするつもりです。
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| SMWSサマーテイスティング |
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スコッチ・モルトウィスキー・ソサエティは、サマーリストのテイスティング・イベントを東京浅草のアサヒビール本部ビルのエグゼクティブ・ラウンジで行います。普段このラウンジはアサヒビールの社員にも開放されていないのですが、昨年の余市ボトリングのリスト掲載という歴史的な出来事を受けて、アサヒビールの役員会から特別の許可をいただき、今回のテイスティング会を開催することになりました。
テイスティングでは4種類の余市ボトリングの全てをお試しいただけます。また、アイルランドのクーリー蒸留所初のボトリングもお試しいただけます。テイスティングは、会員とゲストの方々が、多数取り揃えたソサエティ・ボトリングから、ショット毎に自由に選んでお飲みいただける「ボルツ・スタイル」で行われます。スプリングリストとサマーリストの両方で、あわせて100種類以上のウィスキーを用意しますので、「ボルツ・スタイル」のテイスティングとしてはこれまでで最大規模となります。
開催は6月20日(金)の午後6時から9時までとなっています。参加には予約が必要です。ご予約はこちらで受け付けております。入場券(軽いおつまみが付きます)は会員向けには1,000円、非会員とゲスト向けには2,500円で販売しています。バーでは、ウィスキーをフルサイズのグラスで一杯500円から1,500円でお楽しみいただけます。 |
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4月23日(水)にグラスゴーでマクティアーズ・ウィスキー・オークションが開かれました。700近くの商品が競売にかけられ、昼食のための休憩もなしに一日中、中身の濃いオークションが行われました。個人参加者から、ウィスキー小売店、バーのオーナー、著名な収集家など約100名が入札に参加しました。落札価格には非常に幅があり、見積価格よりもはるかに高い値段がついたものもあれば、特に組み合わせ商品の中には、低価格で売りさばかれたものもありました。この日の目玉商品は、「アンドリュー・アッシャー・マスターブレンド」でした。これは、16年ものの特別なブレンドで、25名のスコットランドのトップブレンダーが集まって、キンダル社のリチャード・パターソン氏の監修により作り上げたものです。ブレンデッド・スコッチウィスキーの創始者であるアンドリュー・アッシャー氏の偉業を記念して作られた1回限りのブレンドです。アルコール度数49%のこのボトルは何と8,500ポンド(手数料別)、日本円にして約166万円で落札されました。
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この日の最高価格で落札されたのは、ヴァレリオ・アダミ(訳注:イタリアの現代画家・版画家)のイラスト入りラベルのついたザ・マッカラン60年でした。これは限定12本で生産されたうちの9本目で、落札価格は10,500ポンド(手数料別)、日本円で約205万円でした。次回のマクティアーズ・オークションは今年の9月16日に、またグラスゴーにて開催されます。詳細についてはこちらをご覧ください。
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